
月刊カチョー!!」と言う雑誌を知っている人はそうはいないと思う…この雑誌は、なんとあのヤクザ抗争やアダルト情報満載の「週刊実話」(日本ジャーナル出版)の増刊号として月一発売された幻の雑誌である。それも一般書店やコンビニではない首都圏の駅の売店のみの取り扱いなのだ。最初、僕に依頼の連絡があった時…例によって『プラモ狂四郎』を描いてくれませんか?と言ういつものパターンだ…ターゲットは、なんと30代の課長職…大人の学年誌にしたいので協力をお願いしたいと言う…成功すると「カカリチョー」「ブチョー」「シャチョー」「カイチョー」とか出るのか??(半信半疑)??
某単行本の書下ろしを終えたばかりの僕は手が空いていた『プラモ狂四郎』は出来ないが「プラモ狂四郎みたいな…」やつなら出来るかも…(汗)。コミックボンボンとサンライズそして安井氏の承諾は必ず取ってくれるように編集長のS氏に念を押した…マガジンハウスのオシャレな「リラックス」の時とは違い今度は「週刊実話」だしサンライズやボンボンが「OK」を出すはずが無い…ここで「OK」だったら今までの「プラモ狂四郎協定」は何だったんだ?って話になる…僕は状況を見守る事にした。
このS氏は本当に好い人…サンライズに2、3度通い詰て3回の期限付きで何とか承諾を得たのだ…ボンボン黙認…バンダイ無視…安井氏には再三連絡を入れたらしいが音信不通(冷汗)。
僕も乗ってしまった以上、降りる訳にもいかない…罪悪感を抱きつつも「プラ課長錦四郎」はこんな虐げられた環境で始まったのである。内容は【花丸物産に勤める課長・鏑木錦四郎(35)は上司と部下との挟間で窮屈なサラリーマン生活を続けている…ある日ガンプラに目覚めた息子の狂四郎に連れ立ってアキバのイベント会場で日進月歩のガンプラに触れ眠っていたプラモ魂が再び鼓動をはじめる…隠れフィギュアコレクターの部長、AFVマニアの社長等と繰り広げるプラモ版釣りバカ日誌…かな。】
…今にして思えば、この時すでにボンボンは編集長も変わり、編集方針の転換で「プラモ狂四郎協定」なる関係が希薄だったと思える。この「月刊カチョー」3号出て売店から姿を消したのであった…(無念)。