
昨年まで少年週刊誌で看板を張っていた人気作家さんが、カラー原稿紛失で出版社を提訴したと言う話…。
原稿紛失は、あってはならない事だが、この業界ではよく聞くし、僕もここで紹介したA書店や、T書店のコミカ原稿は殆んど手元にない…それも連載が終わり整理をしてて後で気づく事が多い。問い合わせても、そんな前の原稿を探す手間暇と担当の移動等で有耶無耶にされてしまう。漫画家も、事を荒立て関係を拗らせたくないから、それ以上は問い詰めなかったりする…(汗)。特にカラー扉や表紙カットなんか入稿が別だから、無くなりやすい…のかな?????昨年「コミックボンボン」解散の時、行方不明だった僕のカラー原稿が大量に見つかったのは奇跡だった。解散しなければ永遠に見つからない可能せいもある…(冷汗)。
ある漫画に不慣れな、実用書を出してる出版社で雑誌創刊にあたり、ある大御所先生がゲストで読み切りを描いたそうだ…その担当、印刷所から返却された原稿をもう使わないだろうと全部焼却してしまったという話を、そこでアシを務めていた人間から聞いてゾッとした事がある(汗)。結局、大御所先生は全ページ弁償して貰ったらしいがモラルを疑う酷い話だ。
最近は印刷技術の進歩で、原稿が無くても雑誌や単行本から取り込んで昔の復刻本が続いてるが、誰かが、故意に処分しない限り原稿は何処かに眠っているのである…また、倒産した出版社の漫画原稿がそのまま古書専門店で売られていて裁判沙汰になった事は記憶に新しい…(怒)。
…僕も、せっかく発見されたカラー原稿を文庫版『プラモ狂四郎』のために、再度編集部に渡す時は複雑な思いで渡し、速やかに返却してくれるよう担当に念を押したくらいだ(汗)。→ 編集部、信じてますからね!
◆ 漫画家で出版プロデューサーもやっている、旧友・おかのきんや氏の著書にオセロに例えられた、僕の章があります。